構成は1〜2ページが組み立てのための一般説明、3〜12ページが部品リスト、13〜32ページがイラストによる組み立て手順の説明、33〜65ページが切り抜き部品になっています。
一般説明では記号や使用用具の簡単な説明があります。ドイツ人の解説にしては短いのですが、簡潔で要を得ています。
ペーパークラフト組み立てのための一般説明 |
部品リスト一覧は、表形式で743種の部品全ての名称が載っています。作者のReinhold Hahn氏は、造船業に携わっていたそうですのでので形を再現するだけでなく、その部材の名前も挙げることができたのでしょう。私Berlinerの職業は翻訳業なのですが、辞書には載っていない名も無き部材の名称を翻訳するのは一苦労です。部材の名称を挙げ、名付けられるというのは専門家でなければ難しいこと。この一覧は、モデルではありますが、実物との対比ができるだけに、造船分野のドイツ語理解を深めるための貴重な資料になりそうです。
部材リスト 全ての部品が番号、名称、数でリストアップされている。 |
組み立て手順の説明は、全てイラストで説明されています。これに10ページあまりを割いていますが、これならドイツ語がわからない人も迷わずに組み立てられるでしょう。
Stefan Batoryを作った時、イラストに代わるものとして、JSCというポーランドの出版社が提供するポーランド語と英語の組立説明書がありました。英語はポーランド語からの翻訳だったのでしょうが、どうもおかしな翻訳も多くそれを理解するのには苦労させられました。このキットでは組み立てに関してはイラストが主体ですので、そういう苦労はしなくて済みそうです。
そして部材リストの後には実際の部品が続きます。印刷を見ると、驚くべきことに、手書きのものを製版しています。着色済ですが概形は手書き故に、コンピューター制御で描かれたものとは違って精密さには欠けますが、なかなかいい味が出ています。
部材の一例 手描きのものを製版 |
使用されている厚紙は全て同じ厚さです。質の良い紙が使われていますが、船体には強度不足のようで、強度を出すために工法での工夫が見られます。紙とは言え、造船の知識が投入されているようですね。
このキットのお値段ですが定価で28ユーロ。私は送料込みで34ユーロで購入しました。趣味に金銭云々は野暮ですが、このお値段、ペーパークラフトを趣味にするドイツ人の一部にはかなり高額と感じられるようです。たしかにキットの中では中の上くらいの価格レベルですが、これを高いと判断するか、安いと判断するかは個人の懐具合もさることながら、どれだけ楽しめるかということにもかかってくるでしょう。私だったら最低でも3ヶ月、ひょっとしたら半年は楽しめそうです。作るのが遅いだけで自慢にもなりませんが・・。
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