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2011年1月5日水曜日

NDL Potsdam (4) - 底板

今日は底板を切り出しました。底板はドイツ語では
Grundplatte
といいます。基盤、土台、ベースプレートなどという訳も辞書には載っていますが、造船用語ではないと思います。敢えて言えば模型造船用語とでも言えるでしょうか。

私の作っているモデルはウォーターラインモデルといって船が水に浮かんだときの水面上の部分を作るものです。ですから喫水線、つまり船体と水面が交わる部分にこの板が必要になりますが、実際の船にはこういう部品はありません。

底板

実際にはないものですが、この形を見ると船体がどんな形をしているのかよくわかります。

ポツダムができたのは1930年代半ばのことですが、その時代の船、特に客船としては先が鋭く尖っていてサイドのラインが内側に大きく入り込んでいます。戦艦大和のプラモデルを造ったことのある方ならわかると思いますが、軍艦のようなフォルムです。

この模型では水面下はわかりませんが、実物はWulstbug(球状船首=バルバス・バウ)が採用されています。これはやはり戦艦大和の船首の、顎のように出っ張った部分。ポツダムの場合、あれほど出っ張ってはいませんが、客船で比較するとフランス号とよく似た形状です(参考:ふねきちさんのプログ)。造波抵抗を減らす働きがあり、高速化、省燃費に効果が期待できます。

これはこの船の特徴になっていますが水の抵抗を小さくし高速での航行を狙ったものでしょう。しかし建造には費用がかかりますし、内部の空間、船内のスペースを犠牲にしてしまいます。

調べたところによるとポツダムの姉妹船であるシャルンホルストとグナイゼナウにはこのような設計は採用されなかったようです。後者二隻に採用されたのはMaier-Bugformといって当時一般的な船首の形状でした。底板を作るとサイドのラインはほとんど中に入り込んでおらず、V形にになっているだけです(P. Kuckuk, Die Ostasienschnelldampfer - Scharnhorst, Potsdam und Gneisenau des Norddeutschen Lloyd, Bereme, 2005, S.114-115)。

姉妹船の中で、船体からしてポツダムとその他二隻は大きく違うのですが、それでも「姉妹船」と呼べるんでしょうか。いずれにしろポツダムを参考にシャルンホルストも一緒に作るという私の構想はひとまず棚上げすることになりました。

一見するとポツダムの方が他の二隻より保守的な印象があるのですが、実はかなり先進的な流線型、船形を採用していたんですね。

話を模型の方に戻しますが、底板は厚紙とはいえ、ぺらぺらで強度がありません。それに前回切り出したキールを貼り付けることでお互いに形状が安定して強度が出ます。

2 件のコメント:

  1. 私のブログについてご紹介いただきありがとうございます!
    フランス号はどこから見ても美しいと思っています(^。^)

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  2. ふねきちさん、コメント有り難うございます。
    そうですね。フランス号はバランスがとれていますよね。このポツダム号はどうなりますか。写真で見る限り、良い意味でも悪い意味でもドイツ的な感じがしますが、モデルができて行く段階でどう印象が変わるか。そこも楽しみではありますね。

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