現在製作中のTSS Stefan Batoryは紙模型です。ドイツ語ですとKartonmodellと言います。Kartonは厚紙のことですが、紙で船を製作したのは、 初めてと言って良いでしょう。
そういえば子供の頃、紙で航空母艦を作ったことがありました。といっても子供の工作の範囲を出ないもので、図面に従って作製したわけではありませんでした。それでも子供心にはうまくできたかなと思って祖父に見せたところ、大人でそういうことをする人は、もっと細かいところまで作るよ、と言ったのを思い出します。そのときには、それがどんなことなのかわかりませんでしたが、今やっていることがそうなんですね。
その後、プラモデルで軍艦などを作ったことがありましたが、客船はあまり経験がありません。そもそも私の住んでいた田舎の模型店にはそもそも客船の模型なんてほとんどありませんでしたから。作ったものと言えば、カーフェリーさんふらわぁ(確か8)、日本カーフェリー?のうちの一隻、モーレタリア、フランスくらいでしょうか。どれも子供の自己満足の範囲でしたが。
それでも作ってみるとなんか本物っぽいなあと満足したものです(それを自己満足というのですね)。
しかし今考えてみると、どうもプラスチックのモデルというのは、本物っぽくないところがある。それは板の厚み。
ブルワークや壁などが一枚で垂直に立つところがあるとこれはどう考えても実際だったら厚過ぎるってことになります。
今、紙で船を作ってみると、その点では紙という素材にアドバンテージがあるのがわかります。何といっても薄いですから、そこは本物っぽい感じがしますね。
一方、プラスチックの有利な点は形でしょうね。予め成型してあるのでいろいろなところが形で表現できる。それに対して紙だと、すべて平面から作るので、その大きさ次第ではどうしても無理がでてきて、キットの場合は印刷でごまかすことになる。その典型が窓でしょうか。400分の1のモデルだと丸窓は1 mm以下になりますので、これを穿つのはかなり難しい。針や錐のようなものを使えばできるかもしませんが、どうなんでしょうね。その点、プラスモデルは予め形ができていますから、穿たれていなくとも形で表現できます。
というわけで今のところ、船の模型を作る素材として紙にもプラスチックにも一長一短あるというのが私の印象なのですが、しだいに紙の魅力を感じるようになってきました。
紙は弱い素材ですが、その弱さ故に自由になる度合いが大きいんじゃないかと感じています。そして工作の余地が大きい。Stefan Batoryは、400分の1ですから、その余地も直ぐに限界に達してしまうのですが、もう少し大きなもの、例えば250分の1くらいならかなり手をかける余地ができるんじゃないかなと今から楽しみ。
Stefan Batoryには悪いのですが、もう次は何を作ろうかとの思いが広がってしまいます。でもその前にStefan Batoryを完成させないと!
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