前回は手すり以外の部品を作り一服しましたが、また「手すり地獄」が始まります。場所は、プロムナードデッキの後部。地獄ですが、その地獄にもだんだん慣れてきてしまったところが恐ろしい。
それにしてもこの船、手すりがかなりありますね。だいたい昔の船のデッキはほとんどがオープンデッキでした。それが一部ブルワークで代用されるようになるのは後のことですが、そうなる前に船のデッキ数は時代とともに増えていきます。デッキがブルワークで囲まれる前に手すりで囲まれたデッキの数が一番多くなるのがこの頃なのかもしれません。
現代ではフェリーやクルーズ船は、デッキの数は多いのですが、ハウスが箱状になり今作っているような長く連続した手すりで囲まれたデッキはほとんどありません。だから現代の船を紙模型で作っても今のような「手すり地獄」はないでしょうね。一方、クルーズ船になるとボートデッキの上にベランダ付のキャビンが何層にもわたって作られるようになるので、そのベランダの手すりを一つ一つ作るのは、また大変な作業かもしれません。でも私はそんな作業はしないと思います。現代のクルーズ船を前にしても、モデルにして眺めていたいという欲求が起きないので。
手すり作りはこの造船所の宿命だと分かったところで今回のレポートを始めます。
まずは下準備としてプロムナードデッキ後部の甲板の形を薄い紙でトレースしておきます。これは後で手すりのトップに載せるウッド部分を切り出すときに必要になります。
最初は、中央の部分を作りますが、部材は51hを使います。
支柱部分は、ハサミでざくざくと切り出します。ナイフではなくハサミを使って切り出す方法も大分慣れてきましたが、作業で注意が必要だと言うことも分かってきました。問題点は、ハサミで切り出すと、細い紙のストライプが歪みやすい、ということ。切り出した後、支柱が真っ直ぐに伸びるように形を整える必要があります。
そしていつものように、ボンドでコーティングし糸を渡してバーを表現します。まずは一番トップのバーですが、これによって支柱が固定されますので、斜めにならないように慎重に糸を貼っていけます。というよりは糸に紙の支柱を固定するという感じでしょうか。
はい、すべてのバーが平行に並びました。少し湾曲しているので接着時には要注意です。
台紙から切り出して形を整えます。
それと今回は、支えになるように特別に三角形の板を4つ貼付けました。下の写真を拡大すると何とか見えるでしょうか。
そして本体に取り付けました。上手くいったでしょうか。
支えもうまく機能しているようで、手すりが垂直に立ちました。支えは小さく作ったので目立ちませんが、もう少し大きくてもよかったかもしれませんね。
手すりの支え、いいアイデアですね!
返信削除効果的のようです(^。^)
実際の船にもフェンスの支えがありますよね。それをヒントにしました。前作TSS Stefan Batoryは、手すりにはラインを描いたフィルムを使いましたのでこの支えが必須でしたが、両舷の手すりでこれを使うには甲板の反りも考慮しないといけないのでちょっと厄介です。採用するかどうか検討中です。
削除