鋭意製作中

8月に入りましたまだ完成していません。
今月こそ完成へ!

2011年5月31日火曜日

NDL Potsdam (30) - プロムナードデッキ前面のファサード

プロムナードデッキは、船の中で最も印象的な部分であり、多くの場合美しく個性の出る部分ですので、この部分を作るのも楽しいものなのですが、骨が折れるというのもまた事実。
だいぶ苦労しましたが、ポツダム号のプロムナードデッキ前面の「ファサード」が出来上がりました。まだ接着していませんが。

下の写真はその「ファサード」を前面から見たところ。窓の奥には内壁の表面が見えます。窓には透明シートが使われていますが、私は封筒の窓に使われている透明シートを使います。ただし今回は日本から来た封筒を使いました。ドイツの封筒は、この透明シートがあまり透明でないんですよね。シートのすぐ下の文字は読めますがそれ以上奥になるとくもって読めなくなってしまうくらい透明度が低いのです。


ところで、この前面の部材ですが、部材リストにはAußenwand、つまり外壁としか書かれていません。でも、やはり「ファサード」と呼びたい。横から見ると、全体的に丸みを帯びていて中央部が突出しているのがわかりますか。まるでバロックかロココの宮殿建築のようです。


ポツダム号の「ポツダム」とはもちろんベルリンの隣町でプロイセンの王宮都市のポツダムのことです。ユネスコの世界文化遺産にも登録されているポツダムのサンスーシ宮殿のファサード中央部はちょうどこんな感じでしたね。中央部が丸く張り出しています。

船の上部構造のデザインに曲線、曲面を使うのはNDLのブレーメンで特徴的ですが、このポツダム号の曲面も個性的ですね。この壁の前面には展望デッキなのがベランダがありますが、ここも宮殿のバルコニーを連想させませんか。

このポツダム号の準姉妹船は「シャルンホルスト」と「グナイゼナウ」。ともにプロイセンの軍政改革を担った軍人、そして「ポツダム」は、フリードリヒ大王の名前とともにやはり1930年代半ばのドイツの軍事的な野心、軍国主義を匂わせるネーミングですが、この丸みを帯びたデザインを見ると、設計者はポツダム号に、フリードリヒ大王が無憂を求めて営んだ優雅な宮殿のイメージを重ね合わせいたようです。

2011年5月26日木曜日

NDL Potsdam (29) - プロムナードデッキ(支持板?)

内壁の貼られたプロムナードデッキには、直ぐにでも外壁を貼りたいのですが、その前にやらなければならない作業が沢山あります。

その一つがStützplatteの設置です。これは英語にするとsupport plateで、辞書によると「支持板」「サポートプレート」といった訳語が出ていますが、どれも造船の専門用語ではないようです。専門用語があるかどうかは判断がつきませんが、よくある部材です。

例えば、下の写真はうちの近所のリーツェンゼーと言う湖に浮かぶ、作業用の箱船です。


拡大すると、こんなふうに。


垂直の板と水平の板を接合するための補助材ですが、本物は溶接で着けられているのでしょう。
この湖には、白鳥が住んでいるのですが、最近ヒナが羽化したようで、この写真を撮っていたら年配のご婦人が、白鳥はどこにいて今年は何羽ヒナが孵ったなどと教えてくれました。こんな箱船の撮影に来たんだと言っても理解してもらえそうにないので、有り難くお話をうかがいました。今度、見に行きましょう。


そして私の白鳥、ポツダム号の支持板です。



特にどんな工夫をしたわけではありませんが、ピンセットで挟んで船体に着ける際に、手首をねじらなくてもいい位置に本体を置き、修正する必要がないように一発で設置しました。

手首をねじってもたいした手間ではありませんが、ねじった分だけ自由が利かなくなるということですから、緊急時に少しでも自由が利くようにベストの姿勢、ポジションを選んだというわけです。少しでも楽にできるように、無駄な力や手間が要らないように作っていくと、少しのことでも全体の仕上がりに影響が出そうです。

2011年5月24日火曜日

NDL Potsdam (28) - プロムナードデッキ(内壁表面)

突然ですが趣味ってなんでしょう。私は、好きな対象にアプローチする手段、と定義してみました。

この定義に従って、船をその対象とするといろいろな趣味が考えられます。船を見に行く、船の写真を撮る、船の絵を描く、船に関する情報やグッズを集める、船に乗るなどなど。皆、自分の好きな対象に少しでも接近しようとする手段です。最近では、船への愛が嵩じて船と一体化したい人もいて、船の「コスプレ」なんていうのもあるようです。最後のものは、一線を越えてしまってしまっているようにも思いますがみな楽しんでやっています。

しかしその楽しみのポイントは趣味によって違ってきます。船を見に行けばその迫力を味わえるでしょうし、絵を描けば細部にまで観察が行き届くでしょう。コスプレをすれば船の気持ちがわかる? このブログがテーマとしている模型を作るという行為も船を対象とする趣味ですが、そのポイント、長所って何でしょうね。私にとっては、外から見ただけではわからない箇所、乗っても全体を把握するのが難しいところがわかるということです。

今作っているプロムナードデッキの内壁はその最たるもの。これは、模型でも作らない限り、どうなっているのか(いたのか)なかなかわかりませんよ。

前置きが長くなりましたが、内壁を貼付けたところをご覧に入れます。

まずは前方です。大きな窓が前面に空いていますが、この窓の奥はFesthalle、Tanzflächeです。宴会場、ダンスホールってことですね。




次は左舷です。一番左は宴会場、ダンスホール、ドアがあって小さな丸窓が三つ並んでいる辺りは、デッキプランにはHerr/Damと書かれていますが化粧室でしょうか。その右がKaffeeküche、つまりコーヒーを淹れるキッチンです。コーヒー専用ってこともないでしょうが、お茶ではなく「コーヒー」というところがドイツっぽいですね。ちなみにドイツのコーヒーはお土産にすると結構好評です。聞くところによるとドイツは、コーヒーの買い付けがうまいのだそうです。
つぎのちょっと奥まったところにある二つの大きな窓はRauchzimmer、つまり喫煙室です。最近ではドイツでも喫煙は厳しいですが愛煙家は多いですね。元首相のヘルムート・シュミットもテレビ出演のときもタバコを手放しません。
次の水色の二つの大きな窓の奥が読書室です。ドアを挟んでその後の4つの大きな窓が食堂の窓です。灯がともっていないのか暗いようですね。そして最後の最も右にある窓がPrivatspeisez.だそうです。個人用食堂ということですから予約をとって家族や仲間で食事をとるところでしょうか。



そして後ろから。ステップがつくはずですが、まだ設置されていないようです。



最後は右舷です。左からKinderspeisez.(児童用食堂)、食堂、遊戯室、喫煙室、バー、そして宴会場・ダンスホールです。



水色の窓とグレーの窓がありますが、水色がオリジナルで、グレーは切り抜いてオリジナルをコピーしたものを後ろから貼ったもの。ちぐはぐですが、水色は灯がついて使用中。グレーは準備中の部屋とでも解釈してください。

実は水色の部分は、この後透明シートを使った窓ガラスの奥に隠れてしまう部分。グレーの窓は開口部から直接のぞける部分です。私は、窓ガラスは普通は水色には見えないと思い、グレーにしました。本当は透明シートを貼りたかったのですが、この窓は細かい格子が入っていて工作が難しくなりそうでしたので、透明シートは諦めました。

窓は透明ラッカーを塗っているので、光のあたり方によっては光って見えるのですが、写真ではなかなか表現できません。作った本人だけのお楽しみですね。

さて折角、丁寧に内壁を作りましたが、外壁を設置してほとんど隠してしまいます。こういうのは無駄というのではなく贅沢というのですよ。

2011年5月21日土曜日

NDL Potsdam (27) - プロムナードデッキ(ウッドデッキ)

今回から一番楽しいプロムナードデッキの工作です。

前作のStefan Batoryでは、プロムナードデッキはだたその窓が印刷されていただけでした。何とかその窓を切り抜き透明シートを貼って中が見えるようにできないかとあれこれ考え、一部は切り抜いたところもあったのですが、この細かさと自分の技術ではきれいに作るのはとても無理だと判断し、諦めました。

でもプロムナードデッキは、大型の客船において一番インパクト、個性の出るところでもあり、できれば詳細に丁寧に作りたいところ。今回は、モデルの縮尺が250分の1ですので、前作での欲求不満を解消してくれそうです。

まずは、船体にデッキの床を設置します。下の写真は設置した後のものですが、全体をウッドデッキが構成しています。



上の写真は側面から見たところ。そして下の写真は前方から見たところです。



そして最後は後方から見たところです。手前のデッキではなく後方の現在最上階になっているデッキです。


ご覧のように周囲をウッドデッキが囲んでいます。ということは「プロムナードデッキ=遊歩甲板」という名前の通り周囲をぐるっと一回りできるのですね。これは大変贅沢な作りなのではないかと思います。そしてこれは準姉妹船のシャルンホルストとグナイゼナウと違っているところでもあります。この準姉妹船の場合、最前面の部分は全体が1等社交室になっていて、プロムナードデッキの周囲をぐるっと一周することはできないのです。

確か、この三姉妹船の影響を大きく受けていると言われる日本郵船の新田丸級でもプロムナードデッキをぐるっと一周できるようになっていましたので、その部分ではシャルンホルストのレイアウトではなく、ポツダムのレイアウトが採用されたことになります。

次回は、このデッキの内側の壁を作ります。

NDL Potsdam (27) - プールの組み立て

日本は暑くなってきたようですね。水浴びでもしたいほどでしょうか。

ドイツ人は日本人に比べると入浴の頻度は低いようですが、水浴びは大好きです。ドイツ語で公営プールのことをStadtbadといいます。Stadtは「都市」、Badは「プール」でその二つをあわせるとStadt-Bad、つまり「街のプール」になるのですが、Badには「プール」の他に「入浴」「水浴」「浴室」「浴場」なんて意味もありますから、水かお湯かの違いだけで、ドイツ人の頭の中では「街のプール」は結構、我々の「銭湯」に近い概念なのではないかと思うのですがどうでしょうね。

ベルリンには戦前からある市営プールもあり、中には「ローマ風呂」のような円柱廊を備えたものもありますから、私の想像は結構あたっているかもしれません。

それはそうとポツダム号もプールを設置する段階に来ました。ポツダム号には屋外のプールが二箇所あるのですが、船尾のものを今回作ります。

次の写真は組み立てプールを上から見たところです。デッキの上に壁を作り、その中に浴槽を組み立て、その上にデッキを作り、最後に壁で囲みました。


それほど時間はかからないかと思ったのですが、数時間かかってしまいました。水面は表現していませんが、浴槽の壁はよく光って防水加工が施された素材に見えませんか。

これは水色の印刷の上に水性クリアラッカーを塗って光沢を出したものです。これで三回ほど重ね塗りしたものです。

浴槽はデッキの上で順番にパーツを接着していきましたが、それよりは外で作って箱状にしてからデッキに設置した方が工作が楽で見栄えも良かったかもしれません。




上の写真はプールを横から見たところです。格子の入った水色の壁は、どうもガラスの壁のようですね。プールに浸かって海を眺められるようにしたのでしょうか。しかし風が直接あたると寒いということで、こんな壁を備えたのか。

プールの周りのデッキには手すりがつくのですが、他に大きな工作が残っていますので、ここではまだ作らないままにしておきます。

次回はいよいよプロムナードデッキの工作です。

2011年5月16日月曜日

NDL Potsdam (26) - ステップ10完了(船体の完成)

組立説明書のステップ10まで完成しました。美しいボディーが浮かび上がりました。

まずは私の最も好きなアングル。斜め後方からのショットです。この船に限らず客船はこの角度が大好きです。




次は斜め前方から。ウォーターラインの曲線がいいでしょ!
ハウスは現代のクルーズ客船に比べると、かなり後方から始まります。前方にはカーゴハッチがありますのでそこにはハウスが載らないのですが、貨客船はこのスカイラインがいいんですよね。

とは言っても大西洋航路、西欧と北米を結ぶライナーはハウスがもっと前方から始まっていますよね。旅客の需要が高くそれだけハウスも大きいということなのでしょうか。大西洋のライナーからクルーズ客船にコンバートした船は大分長く現役を保ったものが多いのはその貨客バランスに起因する船の構造のせいでしょうか。

ポツダムは北ドイツロイドの東アジア航路の船ですから貨物の割合が大きかったのでしょうね。





前方から。これから作るハウス前方は、そそり立っているように見えますが、この船かなり扁平です。重心が低く船首部分が長いのでスポーツカーを思わせるプロポーションです。 ただ、それでいてイタリアのデザインのように軽快さ(軽薄さ?)がないのはドイツのデザインの宿命という気がします。




こちらは後方から見たBデッキです。一番後方の箱は児童遊戯室だそうです。Bデッキは、ここからの見てわかるようにずっと奥まで続いています。カメラだとよくわからないでしょうが、ウッドデッキが奥まで伸びていてディテールがいいですね。250分の1のモデルはこういうところが面白い。




拡大するとあらも目立ってしまいますが、何とか奥まで見ていただこうと敢えて撮影してみました。客船っぽく見えますか。

丸窓が光ってカラス張りのように見えますが、これは糊を流して光らせたところです。なかなかうまくいきました。扉の金色は真鍮の窓枠のつもりだったのですが、やはりオーバースケールは否めません。




Bデッキがのぞき込めるように側面から。このデッキは、ツーリストクラス用のプロムナードデッキでもあるのでしょうか。これから作る本来のプロムナードデッキに比べると貧相ですが、モデルとしてはいいアクセントですね。熱暑のインド洋を航行するとき、旅客が涼みに出てきて海を眺めたのでしょうか。




だいぶ偏執狂的になってきましたが、再びBデッキをやや前方側面からのぞきます。内側の壁の窓は苦労してくり抜いたのですが、ほとんど隠れてしまいますね。
でもスリットから見え隠れするところがまた男心をくすぐります。というと「チラリズム」なんて言葉が浮かんで下品に流れますが、官能の喜びは否定しようがありません。
この船はインド洋を越えるとシンガポール、香港、上海にも寄港します。かの地のチャイナドレスの美人を想像しながら旅を楽しんでください。




こちらは前方Bデッキを望むアングル。こちらも丁寧に作ったのですが、柱を付けるとほとんど隠れてしまって見えません。ここまでになると作った人しかわからない自己満足の世界ですね。それもまた良し。



最後は船と同レベルからカメラを構えてみました。ここからだと、ゆるく湾曲した船体のラインがよくわかります。現代の船にはこのラインは残念ながらありませんし、求めようもない。客船と並ぶ大西洋横断の華、レシプロ長距離旅客機にコンステレーションというロッキード社製の旅客機がありましたが、この船のラインもそんな優雅な工業デザインに匹敵します。どちらが上かというと好みもあるでしょうが。




お気づきの方おられると思いますが、ちょっとというか、だいぶ失敗しところあります。エッジや接合部は今回は水性カラーで塗装しています。前回は油性マーカーやプラモデル用のラッカー塗料を使ったので厄介だったのですが、水性塗料は筆を水洗いできますので手軽に使いました。あまりに手軽だったものですから、塗らなくてもいいようなところまで塗ってしまって、その結果、紙に印刷された色との微妙な違いが大分目立つところがあります。白や黒もそれぞれ個性があって、紙の白、黒とは反射の仕方が違いますね。

フォーマルスーツの黒は、黒とはいっても安物か高級品かすぐ分かります。また白も純白と黄ばんだ白でも明らかに違います。人間の目って優れたセンサーなんですよね。

修道女の着る黒の服も修道院からの支給でない限り自前だそうですから俗世の家柄、財政レベルが如実に出ることがあるそうです。

2011年5月14日土曜日

NDL Potsdam (25) - 舷側の貼付け(船尾)


船尾部分の側面を貼付けます。船尾の部分は船首に比べてカーブがきつく、球面も強いことから工作が難しい部位です。前作のStefan Batoryでも大分苦労しました。

今回も大分苦労しそうですが、この部分は苦労の分だけ楽しいところでもあります。曲面、球面は紙で表現するには厄介なのですが、それこそ客船の美しさの要因なので、ここを作るのは楽しいというわけです。

構造部分ののりしろに木工用ボンドを塗ったら位置がずれないように側面の板を置いていきます。上の写真のように甲板との接着はその次。今回は甲板のできがよく、歪みが少ないために側面との接着は比較的楽なのですが、目立つ部分ですので、接着には細心の注意を払います。

船尾の一番後ろは、上下二段になっています。この部分にも舷窓があるのですが、これまでのように舷窓を表現すると、裏に貼った紙のせいでただでさえ難しい曲面作りがさらに難しくなりそうですので、舷窓のガラスには別の方法を使いました。

それは窓の部分を木工用ボンドで埋め、乾燥するのを待つというもの。木工用ボンドは乾燥すると透明になりますので、窓ガラスを表現できると言うわけです。乾いた状態が下の写真です。


見事に透明になっています。あまり大きな窓では使えませんが、小さな窓なら簡単にきれいに仕上がります。直径1.5 mmまではこれでできます。2 mm以上はまだ経験がありません。

NDL Potsdam (24) - 船首材の設置


船首は、前作のStefan Batoryと違い、側面を左右貼付けて作るのではなく、船首材、ドイツ語ではStevenplatteが用意されています。これなら丸みを帯びた船首を表現できますし、また接合部が前面に来て目立ってしまうのも避けられますね。

左舷、右舷の舷側を貼った後にこの船首材を貼るのですが、左右の側面にずれがあり船首材は左舷で数ミリ延長してすき間を補填しなければなりませんでした。船首材の左舷側に縦のラインが入っているのがわかりますか。これはそこで船首材を切ったのではなく、その後ろまで残して切ったことの証拠です。

このままですと見苦しいので、このラインは塗装で隠すことにします。水性塗料のホワイトを使いますが、白と言っても紙の白とは微妙に違うんですよね。それでもわりときれいに仕上がりました。

下の写真が塗装後の様子です。


写真で見ると白く塗装したところ(ちょっとクリーム色がかって見えます)が目立ちますが、実際はそれほどでもありません。

しかしこの角度から見ると、ポツダム号の喫水線の流線型がよくわかりますね。造波抵抗を減らすためでしょうが、大分中心部に向かって凹んでいますね。この凹みは、準姉妹船のシャルンホルスト号、グナイゼナウ号には見られないポツダム号の特徴です。

私は丸みのあるシャルンホルスト号の方が好きだったのですが、自分で作ってみるとポツダム号のラインが美しく見えるようになってきました。実際の船でもこのような形に作るのはコストと手間がかかり、また船内のスペースを犠牲にすることになります。

2011年5月12日木曜日

NDL Potsdam (23) - 舷側の貼付け(左舷)


舷窓も空きましたのでいよいよ骨組みに側面を貼っていきます。

まずは左舷から。側面は、前から舳先の部分、船首の部分、中間部分、船尾の部分に分かれています。中間部分は問題ありませんが、船首と船尾は曲面になるので注意が必要です。

船首も中心に向かってくびれている部分がありますので厄介です。今回は貼付けるのに、強度を出すため木工用ボンドを使いました。ちょっと付ける量が多かったようで、側面が歪んでしまったところもあります。そして大きな失敗も・・。

押さえに使っているのはいつものようにナット、そして今回新登場のワインの栓。くびれた部分に輪ゴムを使って押し当てています。ワインの栓は最近はプラスチック製のものも増えました。味気ないような気もしますが、コルクだと瓶にべったりとくっついてしまってうまく取り出せないこともありますので、プラスチックも悪くありません。模型作りにも使えますしね。

スクリューキャップの用途はまだ思いつきません。

2011年5月10日火曜日

NDL Potsdam (22) - 舷窓 2


舷窓を表現するのに小さく切った紙を裏から貼っています。大きなストライプを一挙に貼れば楽ですが、そうするとたぶん糊が乾くと舷側が歪んでしまいます。それを防止するのに面倒でも小さく切ってから貼っています。

一緒に写っているのは水性ラッカーです。表から窓の凹みに注していくと表面に光沢が出てガラスっぽくなります。製品はPelikan社のもの。水性なので筆を水洗いできます。

2011年5月7日土曜日

NDL Potsdam (21) - 舷窓

地震の後、動揺もあり、考えるところもあり、作業を中断していましたが、気を取り直して作業を開始することにしました。

骨組みができ次は舷側を貼って行く作業になるのですが、その前に窓を穿つ作業が待っています。丸窓はポンチで空け、楕円形の窓はカッターで空けますが、空けた後どうするか。

前作のStefan Batoryでは、実際に穿った窓はいくつもなかったのですが、透明シートを裏から貼って窓ガラスを表現しました。このやり方はきれいにできるのですが、透明シートは紙ではありませんので、糊が乾くと紙とは違った挙動をとるようになり、そのためはがれてしまったり、ベースとなっている紙を歪めたりすることがあります。それに透明で薄いものですので作業がとても面倒です。
そのような点を考慮して、今回は紙をグレーに塗り裏から貼って窓を表現することにしました。グレーはやや明度の高いものを選びました。それは黒い舷側とのコントラストのためでもあるのですが、実際にはもっと暗いのかもしれません。キャビンに人がいて照明がついているのなら明るいのでしょうが、そうでなければ暗くて舷側の黒と区別ができないくらいなのかもしれません。



ちなみに舷窓のことをドイツ語ではBullaugeと言います。Augeは目ですが、Bullって何でしょうね。Bulleが雄牛だそうですから、そこから来ていてBullaugeは「雄牛の目」という意味なのでしょうか。牛の目って漆黒で輝いていますから、舷窓のようにも見えますね。となるとやはりもっと暗い方がよかったかな。
上の写真ですと白い紙の上に裏から貼るためのグレーに塗った紙片があります。下の船首部分の舷側にはもう窓が穿たれおり、裏からグレーをの紙を貼った窓もあります(作業中)。

この後、窓ガラスに見えるように窓には水性のクリアラッカーを塗っていきます。雄牛の目のように漆黒に輝くでしょうか。