組立説明書のステップ10まで完成しました。美しいボディーが浮かび上がりました。
まずは私の最も好きなアングル。斜め後方からのショットです。この船に限らず客船はこの角度が大好きです。
次は斜め前方から。ウォーターラインの曲線がいいでしょ!
ハウスは現代のクルーズ客船に比べると、かなり後方から始まります。前方にはカーゴハッチがありますのでそこにはハウスが載らないのですが、貨客船はこのスカイラインがいいんですよね。
とは言っても大西洋航路、西欧と北米を結ぶライナーはハウスがもっと前方から始まっていますよね。旅客の需要が高くそれだけハウスも大きいということなのでしょうか。大西洋のライナーからクルーズ客船にコンバートした船は大分長く現役を保ったものが多いのはその貨客バランスに起因する船の構造のせいでしょうか。
ポツダムは北ドイツロイドの東アジア航路の船ですから貨物の割合が大きかったのでしょうね。
前方から。これから作るハウス前方は、そそり立っているように見えますが、この船かなり扁平です。重心が低く船首部分が長いのでスポーツカーを思わせるプロポーションです。 ただ、それでいてイタリアのデザインのように軽快さ(軽薄さ?)がないのはドイツのデザインの宿命という気がします。
こちらは後方から見たBデッキです。一番後方の箱は児童遊戯室だそうです。Bデッキは、ここからの見てわかるようにずっと奥まで続いています。カメラだとよくわからないでしょうが、ウッドデッキが奥まで伸びていてディテールがいいですね。250分の1のモデルはこういうところが面白い。
拡大するとあらも目立ってしまいますが、何とか奥まで見ていただこうと敢えて撮影してみました。客船っぽく見えますか。
丸窓が光ってカラス張りのように見えますが、これは糊を流して光らせたところです。なかなかうまくいきました。扉の金色は真鍮の窓枠のつもりだったのですが、やはりオーバースケールは否めません。
Bデッキがのぞき込めるように側面から。このデッキは、ツーリストクラス用のプロムナードデッキでもあるのでしょうか。これから作る本来のプロムナードデッキに比べると貧相ですが、モデルとしてはいいアクセントですね。熱暑のインド洋を航行するとき、旅客が涼みに出てきて海を眺めたのでしょうか。
だいぶ偏執狂的になってきましたが、再びBデッキをやや前方側面からのぞきます。内側の壁の窓は苦労してくり抜いたのですが、ほとんど隠れてしまいますね。
でもスリットから見え隠れするところがまた男心をくすぐります。というと「チラリズム」なんて言葉が浮かんで下品に流れますが、官能の喜びは否定しようがありません。
この船はインド洋を越えるとシンガポール、香港、上海にも寄港します。かの地のチャイナドレスの美人を想像しながら旅を楽しんでください。
こちらは前方Bデッキを望むアングル。こちらも丁寧に作ったのですが、柱を付けるとほとんど隠れてしまって見えません。ここまでになると作った人しかわからない自己満足の世界ですね。それもまた良し。
最後は船と同レベルからカメラを構えてみました。ここからだと、ゆるく湾曲した船体のラインがよくわかります。現代の船にはこのラインは残念ながらありませんし、求めようもない。客船と並ぶ大西洋横断の華、レシプロ長距離旅客機にコンステレーションというロッキード社製の旅客機がありましたが、この船のラインもそんな優雅な工業デザインに匹敵します。どちらが上かというと好みもあるでしょうが。
お気づきの方おられると思いますが、ちょっとというか、だいぶ失敗しところあります。エッジや接合部は今回は水性カラーで塗装しています。前回は油性マーカーやプラモデル用のラッカー塗料を使ったので厄介だったのですが、水性塗料は筆を水洗いできますので手軽に使いました。あまりに手軽だったものですから、塗らなくてもいいようなところまで塗ってしまって、その結果、紙に印刷された色との微妙な違いが大分目立つところがあります。白や黒もそれぞれ個性があって、紙の白、黒とは反射の仕方が違いますね。
フォーマルスーツの黒は、黒とはいっても安物か高級品かすぐ分かります。また白も純白と黄ばんだ白でも明らかに違います。人間の目って優れたセンサーなんですよね。
修道女の着る黒の服も修道院からの支給でない限り自前だそうですから俗世の家柄、財政レベルが如実に出ることがあるそうです。
なかなかスマートな線形ですね。
返信削除完成したらインテリアとしても十分いけますよ!
竣工が楽しみです。
飾れる作品になるかどうかはこれからが勝負かもしれません。
返信削除プロムナードデッキ以上では、細かい窓が沢山ありますが、これをうまく表現できると良い作品になりそうです。どこまでくり抜くかを検討中。
すばらしい! たくさん写真があるので、たっぷり細かく拝見しました。Bデッキの奥の方まで何とか写真に撮るのは、紙模型ファンでなければわからないこだわりでしょうね。私は1/400のポーランドのコンテナ船を気楽に始めようと思っていますが、1 /250だと相当気合いをいれないと大変ですね。Encyclopedia of Ocean Liners, 1860-1994 という本で調べたら写真が載っていました。ただ、パキスタンに売却されたあとの写真で、黒の舷側も真っ白で、ファンネルには三日月と星のイスラミックパターンでした。コンステレーション、3枚の垂直尾翼のある飛行機ですよね。なんとも、よくご存知ですね。
返信削除Quinquinさん、コメント有り難うございます。
返信削除ポツダム号の最後は、Safina-E-Hujjajという船だったということが、購入したペーパークラフトの表紙裏に説明されていました。メッカへの巡礼船だったのでしょうね。今でもイスラム圏の国々は巡礼用に飛行機をチャーターすることがあるようですから、飛行機が一般的でなかったときは船で巡礼団がイスラムの聖地に向かったのでしょう。
前作の400分の1のStefan Batoryと比べると今回の250分の1のPotsdamの方がずっと作りやすい感じです。パーツ数はとても多いのですが、工作に無理がないような気がします。
製作中のコンテナ船、サイトにアップされるのを楽しみにしていますよ。