私は十年あまりドイツに住んでいます。ですからドイツ人との交流もありますが、ベルリンに住む日本人とも交流があります。そんな日本人の中にはドイツ人と結婚している人、結婚したことのある人も多いのですが、ほとんどはドイツ人男性と日本人女性の夫婦というパターンです。
そういう日本人の女性とドイツ人(特に男性)は、器用か不器用かという話をしたことがあります、私はドイツ人は全体的に見て不器用ではないかと思いましたので、こんなふうに聞いてみました。
「ドイツ人って不器用ですよね。両手が左手(つまり両方とも利き手ではない)って感じで(左利きの人ごめんなさい。左利きの人の方が器用な人は多いのですが、あくまで一般の話)」
その発言に対して、ドイツ人と結婚しているその話し相手の女性は、こんなふうに返してきました。
「両方左手ならいい方よ。うちの人なんか両方前足じゃないのってくらい不器用よ」
ま、前足ですか! ど、動物くらい不器用だってことですか?
まあ、そういう人もいますね(日本人の中にもいますけど)。ドイツ人、不器用な人は多いと思います。でもそれはあくまで平均とか、多いとかという話。一方、器用な人同士を比べると日本人だろうとドイツ人だろうとそんなに変わらない。いやもしかしたらドイツ人で器用さに優れた人は日本人のトップよりも器用かも。
そうじゃなければドイツの機械、自動車産業は生まれなかったでしょう。またドイツに限らず、トップの水準の高さは、平均には左右されない。いや平均が低い方が逆にトップはそれだけ高水準を求められるってこともあるんじゃないでしょうか。イタリアの職人なんか、すごいですよね。
さてそれをモデル製作に当てはめるとどうなるでしょうか。やはりその通り! ペーパーモデルを器用に作るドイツ人。いますよ。そしてその懲りようもすごい。私がよくアクセスするペーパーモデル(ドイツ語だとKartonmodell)の掲示板には、すばらしい作品、製作レポートが並んでいます。
例えばこのサイト。
Kartonist.de
なかでも私のお気に入りは、
こちら。Santa Inesという貨客船の製作レポート。なんと積み荷まで精巧に作っています。でも積み荷って詰め込んでしまうと見えないんじゃないでしょうか。それともハッチを開けると、ほらね、といった具合に見えるようにするんでしょうか。
その他、艤装品も細部まで作り込んでいます。キットの組み立てですがその精巧さ、工作の完璧さには脱帽です。本職は何なんでしょうか。気になりますね。