鋭意製作中

8月に入りましたまだ完成していません。
今月こそ完成へ!

2011年6月2日木曜日

NDL Potsdam (31) - プロムナードデッキ側面の窓

前回で、プロムナードデッキの前面のファサードができました。小さな窓が並んでいるのが特徴でしたが、これが厄介でした。ファサードの三つに分かれている部材のうち真ん中の窓は何とかまともにできたのですが、その両隣の部材の窓はうまくいきません。おそらくアートナイフの刃がもうなまってしまったのでしょう。真ん中の部材の小さな窓を開けるのにだいぶ酷使しました。切れ味の良い新しいものに交換すればまたうまくいくかもしれませんが、毎回毎回交換するわけにもいきませんし、交換したからと言っても必ずしもうまくいくとは限りません。このことはこれまでの経験でわかっています。

理由は、刃物がものを切れるのはどうしてか、ということによります。

刃物はものを切るためのものですから切れるのが当たり前のようですが、刃物は刃の部分と対象物がすれることによって切れます。切れ味の悪いナイフでも動かせば切れますし、刃物でなくても薄い紙の端でも指などにすっとすれれば皮膚が切れて血が出ます。このようにものが切れる切れないは、刃が鋭いかだけでなく、刃が動くか動かないかにもかかっています。小さな開口部で、刃を立ててもほとんど動かす余地がない場合、なかなか切れず、うまくいかないというのは尤もなことです。無理をすると桟の部分を壊してしまいます。

刃の鋭さばかりに頼れないとしたら、小さな窓を開けるには何か別の方法を考えなければいけません。

で、考えました。

無理に小さな窓を開けるのではなく、ある程度大きく切り開いて、桟は別に作ってはどうか、というのがひらめいたアイディアです。早速やってみました。

プロムナードデッキの側面の窓でやってみます。下の写真はその部材ですが、窓が上下に分かれていて上の窓はとても小さい。これを全部空けるとなると、いくら工作好きでもゾッとします。


水平方向の桟は後から別に作ることにして作業を開始しますが、単に桟を後から貼るのでは、交差する部分が二重になってしまって出っ張ってしまいます。

そこで下の写真のように、まず桟の部分の表面を薄く剥がして、桟の部分に溝を作っておきます。あとでここに桟をはめ込みます。表面を薄く剥がすなんて難しいように感じますが、結構うまくいくんですよ。

桟の上下両側に切れてしまわない程度にナイフで溝を作り、両脇から表面だけを薄く剥がしてピンセットで丁寧に取り除きます。下の写真がそれをやっているところなのですが、わかりますか。


それができたら次は、上下方向に上から下まで一続きで切ってしまいます。縦の桟を残して窓を開けます。既に説明したように、比較的大きくナイフを動かせますので、刃先が多少鈍ってしまってもよく切れます。その結果、細い桟もきれいに残ります。


そして水平方向の桟になる部材をやや薄い厚紙で作ります。今回は、150 g/m2の紙を使いました。それができたら垂直方向の桟にできている「溝」に糊付けし水平方向の桟を貼っていきます。両脇にも溝をつけておいて、端をそこに埋め込みます。


糊が完全に乾いたら、両端の部分をナイフで薄く削って出っ張りを目立たないようにします。完全にわからなくするのには、私の場合まだまだ作業の熟練が足りませんが、結構うまくいくものです。けして無理な作業ではありません。手間はかかりますが、小さな窓を一つずつ全部作っていくよりはずっと手間が省けます。

こんなふうに出来上がりました。



一本の桟が端から端まで通っていますので、水平方向がきれいにできます。小さな窓を一つ一つ作っていたのでは、この連続性がうまく出ません。

今回のレポートは、ちょっと成功自慢っぽくなってしまいましたが、いつも失敗ばかりなのでたまには許してください。

4 件のコメント:

  1. へぇ~!
    考えましたね。いつか私もまねしていいですか?

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  2. ふねきちさんへ
    コメント有り難うございます。是非、やってみてください。
    特許として出願するつもりはありませんので。

    しかし、今日買ってきたアートナイフ、切れ味が良いんですよね。良過ぎる。これを使えば、こんな方法はまだまだ必要なかったかもと思ってしまいました。これまで二級品を使っていて、それでもかなり切れ味が良かったので、まあこんなものだろうと思っていたのですが、やはり良いものを使うと違いますね。大いに反省。

    まあ、この方法は結構役立つとは思うのですが。

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  3. すばらしい。なるほど、ばっさり窓を空けて、後から桟を作るとはね。しかし、BerlinerさんのBatoryの制作過程の記事かどこかで、そのアイデアを読んだ気がしますが。ともかく、見事なブレイクスルーですね。私も1/250モデルを作るときは、そのやり方を使わせてもらいましょう。写真を見ると、印刷した青い窓を残すのと、切り抜いて窓を開けるのとでは、格段に見栄えが違いますね。きっと、何度も何度も見ながら、笑みがこぼれたBerlinerさんの満足げな顔がうかびます、あははは。

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  4. Quinquinさん、コメント有り難うございます。
    そうですね。うまくいったときはほくそ笑んでしまいました。まさにうまくいかなかったからこそ思いついた方法です。
    Stefan Batoryでも似たようなこと書いていました? あのときも窓の開口部を全部切り出して、桟になる部分を残して要らない部分を捨て、桟を再度貼り付けるということをしましたね。今回は縦横の桟をクロスさせるというところがキーになっていますので、重複もお許し下さい。
    プロムナードデッキは、うまくいきましたので、その上のデッキを貼らずにいつまでも見ていたいのですが、そうもいきませんので、プロムナードデッキ特集をして次のステップに移ります。

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