鋭意製作中

8月に入りましたまだ完成していません。
今月こそ完成へ!

2011年6月12日日曜日

NDL Potsdam (34) - 上部プロムナードデッキ(後方)-調査不足

上部プロムナードデッキの工作が進んでいます。デッキの前方部分は前回レポートしましたが、今日は後方。しんがりにはこんな側面がついています。


窓を切り抜いたのですが、アーチを冠した窓がついています。右下に切り抜かれた水色の窓が見えます。「ポツダム号」という名前から、設計者は宮殿を意識していたのではないかと推測してみましたが、やはりこの窓も宮殿のイメージにぴったりです。

窓を切り抜き、桟は真鍮を表現するために金色で描き、設計者の意図に添うようにしましょう。

下の写真は、コピーした側面に透明シートを重ね合わせ金色のボールペンで桟をトレースしているところ。水平方向の桟は木製のようですから細い紙のストライプを貼って表現します。


設置するとこんなふうになります。一段と宮殿っぽくなってきました。


窓が透明(半透明)で床が外から見えますので、床を張ってみましょうか。どうですか?

昔「イヴァン雷帝」という古い映画を観たことがあります。その中で、宮殿の床がこんな白黒(映画が白黒なので色はわかりませんでした)の市松模様になっていたのが印象に残っています。実際にはどんな床だったのかわかりませんが、宮殿のイメージに合わせて、それを採用してみました。Wordで表を作りマスを交互に白と黒にすれば簡単にできます。厚紙にプリントアウトして適当な大きさに切れば出来上がり。

なかなかきれいじゃないですか! 宮殿の広間のよう!


しかしこの部屋、実際には何に使われていたのでしょうか。かなり広い広間のようですが。

手元のデッキプランをルーペで拡大してみると、何か書かれているようです。Speisesaal-、え、ここも食堂なんですか? 特等客用の特別食堂でしょうか。しかし厨房は? 隣は児童遊戯室だそうで、厨房ではありません。下から持ってくると料理が冷めてしまいますがいいですか?

おや、Speisesaal-の下にまだ何か書かれています。「-」は、単語が次の行に続いているということですから、次の単語とあわせて一語ということですね。

なになに? 字がつぶれていてよく読めませんが、Durchbauではないかと想像できます。Speisesaal-Durchbauってことになりますが、何でしょうね。Durchはそれだけでは前置詞ですが「通った」「通り抜けの」などと解釈で来ます。英語のthroughです。Bauは「建築」とか「造り」なんて意味。ってことはSpeisesaal-Durchbauって「食堂の通し造り」? それって、もしかして「食堂の吹き抜け」ってことでしょうか。そういえば、この下は食堂でした。

イタタタ・・、窓を穿って実物にはあるはずのない床を見せ、しかも床を張ってしまって、その上、悦に入ってしまいました。


この上にデッキを貼ってしまうと、窓も半透明でほとんど見えませんので、今回のレポートは読まなかったことにしてください。


この側面に一つもドアがないのは、吹き抜けの明かり取りで、ドアをつける必要がなかったからですね。こちらの方が宮殿っぽい贅沢さです。

6 件のコメント:

  1. レポート読んじゃいました!(笑)
    どうします?せっかくWordで作った市松模様。
    切り取っちゃいますか?
    でも今から切り取るにはちょっと難しいような気もしますが。
    じゃぁここは明りとりだけの部屋って事になるんですね。
    なんとも贅沢な造り!

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  2. なるほど、吹き抜けだったのですね。豪勢な食堂ですねえ。でも、まあいいじゃないですか。市松模様の床はなかなかステキです。客船は、しばしば内装替え工事を行うので、Berlinerさんのオリジナル改装ということにしましょう。

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  3. Dockさん、コメント有り難うございます。
    読んじゃいましたかぁ(笑)。
    そうなんですよね。もう切り取れません。切り取って、床に穴を明けたとしても、その下の階、つまり食堂のスペースを作っているわけではありませんので、修正しても甲斐がありません。最初からこの場所の窓は空けるべきではなかったんです。
    先をよく考えてから作業しないといけなかったんです。でもそういうこと、私の人生の中で何度もありましたから、変えられない宿痾です。思慮が足らないとも言いますかね。要は、ちょっと抜けているんです。
    と自虐的になってきたところで、やまておきます。

    Dockさんのブログにもまたお邪魔しま〜す!

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  4. Quinquinさん、コメント有り難うございます。
    現代の巨大船なら、これくらいの吹き抜けはたいしたことはないのかもしれませんが、当時の2万トンに満たない船ではかなり贅沢な造りだと思います。物差しで測ってみたら、プロムナードデッキの床から、この吹き抜けの天井まで、24 mmくらいありました。ということは、24 x 250 = 6000 mm = 6 mってことになりますね。そうとうな大空間だったことでしょう。
    ちなみに準姉妹船のシャルンホルストにはこの吹き抜けはないみたいです。NYKの新田丸にはこんな空間はあったんでしょうかね。
    今回は失敗談でしたが、模型を作ると細かなところがわかって面白いですよ。

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  5. 資料などでは不明確な部分を想像で作っていくのは楽しいですね!
    まさに創造!!
    がんばってください。

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  6. ふねきちさん、コメント有り難うございます。
    入口のないへんてこな空間ができてしまって、とんだ失敗でしたが、勉強になりました。立体で作っていくとデッキプランだけではわからない部分が見えてきて面白いですね。これだから模型作りは止められません。
    この報告、ドイツ語でもペーパークラフトフォーラムサイトに発表したのですが、デッキプランにあった"Durchbau"という表現は、ドイツ人にもよく想像できない言葉だという反応がありました。当時はあまり吹き抜けというのが一般化しておらず、設計者が自分で作った言葉で表現したのでしょうか。あるいは、あるにはあったが外来語だったので、当時の国粋主義的な雰囲気の中で、敢えてゲルマン的表現を使ったのか。なぞが深まります。

    「炒り豆漉し汁」を飲みつつ。

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