鋭意製作中

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2011年2月2日水曜日

NDL Potsdam (14) - のりしろの役割

ポツダム号の製作は、ステップ6に入っています。この工程では、船尾部分のB甲板とその上のハウスの側壁を作ります。

まずは甲板を躯体に貼り付けるのですが、組立説明書には二通りの方法が示されています。

一つは、下の写真のように甲板を切り出して、中軸部分をキールに付けたL字形ののりしろに接着すると言うもの。
二つ目は、ハウスの側壁が載るのりしろ部分を残して白い部分は切り取ってしまうというもの。こちらの方が簡便な作り方のようですが、どちらを採用すべきでしょう。


出来映えが良くなるならある程度の手間は惜しまないというのが、当造船所の方針ですから当然、Iの方法?
そう考えて上の写真のように甲板部材を切り出したのですが、ふと考えました。

この方法は手間はかかりますが、果たして出来映えを左右するのでしょうか。私の考えでは、これは甲板の平坦性を確保するのにあまり効果がない、少なくとも手間の割には効果がないと考えました。

たしかに舷側部分と中軸部分の間に橋が架かりますので安定するかのように考えられます。しかしその距離が大きいので、安定性を保証するのは張力のみです。これではちょっと不安が残ります。

ではIIはどうでしょう。

こちらは論外。安定性はIよりも低くなってしまうのは当たり前です。なぜなら舷側と肋材でしか固定されていないからです。その上、こののりしろの上にハウス側壁ののりしろが載ったら、貼り付けるときの力で平坦なはずの甲板が歪んでしまうのは目に見えています。下からも力をかけて上からの力に対抗させればうまくいくかもしれませんが、指で力をかける限り、どうしても力のかかり具合にむらができて歪んでしまいます。これは前作のStafan Batoryで経験済み。

そこで第IIIの方法を考えました。それは下の写真のように甲板についているのりしろを比較的大きくとって下に90度折り曲げるというもの。


このようにすると何が良いかと言うと、L字形に折れたエッジ部分、折れ目の直線性が保たれるということ。それはつまり甲板の平坦さが保証されるということを意味しています。

そしてデッキトラス橋のように桁間が頑丈になります。それを示すのが下の写真です。


中央から左の部分のナットを二つ重ねたところがその証拠。ナット二つ分の重さでは、甲板は歪みません。さらにどれだけの重さを加えても大丈夫かと言う検証は破壊試験になってしまいますので、ここでは止めておきます。しかしかなり安定していますのでまだまだ行けそうです。

このようにのりしろって糊を付けて接着するためだけの存在ではありません。折り曲げればそのエッジの直線性と強度が保証されます。これをうまく使うときれいにできるかもしれません。

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