鋭意製作中

8月に入りましたまだ完成していません。
今月こそ完成へ!

2014年7月25日金曜日

NDL Potsdam (108) - ボードクレーンの製作と設置(4)

 ボードクレーンを作っています。キットを組み立てるにしてもどこか一工夫というのが当造船所のモットーなのですが、ボードクレーンではゴンドラの転落防止柵と、ゴンドラへ登るためのステップでディテールアップしています。

 梯子の横のバーを紙のストライプで作ることにしたというのは既に報告しました。我ながらかなり上手くいったと思ったのも束の間、目がなれてくるとそのバーが太すぎるように感じられてなりません。模型ですからオーバースケール仕方のないことなのですが、何とかならないかと思い、そのバーをボンドでコーティングした黄色い糸で作ることにしました。
 やってみた結果は下の写真の通り。


 左から、紙のストライプ、糸を使ったもの x 2、偶然できた背面に紙のあるもの。比べてみると出来映えの差は歴然ですね。糸で作った方が断然いい。それに比べると、紙のストライプで作ったものは梯子というよりも簀の子のようです。
 それなら初めから糸でやればよかったじゃないかと思われる方もおられましょうが、プールの梯子で苦い思いをしていますので、横のバーを糸で作るのは抵抗があったのです。きれいに井桁状に組んでも(プールの梯子は糸と糸でしたが)仕上げで糸が縦のバーからはがれてしまって元も子もなしとなりかねないので。
 今回は、縦(紙)のバーを表と裏で二つ作り、そこに横のバーを挟むという方式をとりました。こうするとかなり安定します。糸で作ったバーが、加工の途中でとれてしまうということもありませんでした。
 縦のバーは、細い紙のストライプではなく、板状のものを前後(表裏)に貼り付け、糊が乾いた後にバーになる部分に定規を当て、押し付けながらカッターで細い縦のバーを作るという方法にしました。これならカッターで切っているときに、切る力で糸がとれてしまうという事故もかなり軽減されます。少なくとも今回はそういう災難は起こりませんでした。


 偶然できた背面に紙のある梯子ですが、印刷で表現された梯子を代替するのに使えるかもしれませんね。

 糸のバーを使ったボードクレーン、ブームをのぞいてできあがりました。こんな感じ。


 初めからこうすればよかったですね。まぁ、工作途中でアイデアが浮かぶのも紙模型の楽しいところ、この二基はハウス前のボードクレーンに使うことにします。

2014年7月24日木曜日

NDL Potsdam (107) - ボードクレーンの製作と設置(3)

 ボードクレーン、6基もあるので大変です。設計者は、一つを設計してあとはそれを複製したのでしょう。当然ですが、製作してみるとそれ故の不具合というのも出てきます。

 例えば、プロムナードデッキのボードクレーン。


 前から、台座の円筒がどうも手すりに近寄り過ぎているんじゃないかと思っていました。そして案の定です。そのままクレーンを設置すると、ブームが手すりと衝突してしまって設置できません。よしんば無理矢理設置したとしても、今度は接近した上に手すりよりも低い位置にブームが来ます。ということはブームをその手すりの外へ伸ばすことはできないクレーンができてしまいます。これは困りました。

 模型ですから実際に荷役を行うわけではないので、何とかつけてしまえばそれでいいでしょうか。いいと言う人もいるかもしれませんが、私は許せませんでした。

 そしてGAを観察すること数日。解決法が見つかりました。この近接、私が手すりでディテールアップしたために起こってしまったのかと思っていたのですが、どうもそうではないらしい。実際に台座はかなり手すりに接近しているんですね。ということはこの点ではこのモデル設計者の誤りではない。誤りはどうもクレーンの足の長さにあるんじゃないかと気がつきました。ブームの付く位置が手すりよりも上ならば、クレーンの回転運動に何ら支障がない、ということになります。

 そこでクレーンの足をこのプロムナードデッキ用のものだけ少し伸ばしました。問題はこれで解決です。まあ、2 mmほど伸ばし過ぎかなあというのもあるのですが、その原因はハンドレールが高過ぎるということから来ていて、それはもう直しようがありません。ちなみに手すりが高すぎるのは私のディテールアップのせいではなく、やはり設計者のミスのようですね。1 mmほど高すぎるようです。そこに私が木の手すりを表現するために紙のストライプを貼ったせいでまた少し高くなりました。その分が多めに見て0.5 mm。だから2 mmの超過というのは、合理的なデフォルメというわけです。この点はご容赦頂くということにしましょう。

2014年7月20日日曜日

NDL Potsdam (106) - ボードクレーンの製作と設置(2)

 ボードクレーンの部材一式をそろえました。これで一基分。


 梯子は、黄色い板に黒線が描かれたものを前後に貼り合わせて表現するというのが、このキットの方法ですが。それではつまらない。紙のストライプでバーを作って梯子らしくしました。どうですかね。
 その他、約束通り、ゴンドラの柵もストライプで作りました。紙ストライプは一本だと細くて不安定ですが、組み立ててみると少しは強度が出ます。その他、ボンドを水に溶いてストライプにしみ込ませコーティングするようにして強度を出しました。

 組み立てるとこんな感じ。ブームはまだ接着していません。本体に設置するときに先端を支えに載せて接着します。


 まずは一番後ろの二基です。なかなかいい感じです。


 苦労して作った梯子はどうですか。これもなかなか良い仕事をしています。


2014年7月19日土曜日

NDL Potsdam (106) - ボードクレーンの製作と設置(1)

 天幕支柱/梁と並行してボードクレーンを作ります。この時代に、デリックと並んでボードクレーンがあるのは、かなり近代的だと思われます。これは、NDLの東アジア航路の急行サービスを担った他の二隻の僚船シャルンホルストとグナイゼナウにはないもの。したがってポツダム号の特徴ということになります。

 早速作りましょう。部材はこれです。ボードクレーンは全部で6基。ハウスの後ろに4つ、前に2つあります。部材はかなり細かく、しかも多数。一つでも大変なのに、6つも作るなんてうんざり、いや楽しみです。


 それにしてもこの船、貨物を積み降ろしするために装置が充実していますね。デリックだけでもかなりの数なのに、その上こんなボードクレーンまであるとは(しかも6つも)。
 前作シュテファンバトリーIIは、デリックはなくボードクレーンが前後に一つずつでした。大西洋航路の旅客船は、貨物よりも人の割合が大きいのでしょう。それに対して、東洋航路は貨物の割合が高いってことなんでしょうね。

 今回、本格的には作りませんが、台座に付く筒を作りました。台座の筒にかぶせます。糊付けはしません。一つゴンドラのプラットフォームをつけました。そこに設置する作業員転落防止柵は、キットでは紙に黒線で描かれているだけですが、これじゃあつまらないですよね。
 当造船所では、紙の極細ストライプを使って実際に柵を作ることにします。さて上手くいくでしょうか。






2014年7月15日火曜日

NDL Potsdam (105) - 天幕支柱と梁

 天幕支柱と梁、ドイツ語ではSonnenschutzsegelstützを作成し設置しました。Sonnenschutzは「日よけ」、Segelは「天幕」ですがSegelには「帆」という意味もあります。かつては帆走の動力源であった帆に代わって、人工的な動力が採用された結果、帆(天幕/キャンバス)は日よけとして使われることになった? そんな連想がわいてきますが、実際にはどうなんでしょうか。

 工作に入りましょう。

 まずは、上部プロムナードデッキです。組み立ててから設置したのですが、歪んでしまった部分があります。簡単に見えますがきれいに作るのは難しいですね。


 キットのままだと支柱がいかにも太いので少し細くしました。それでもまだ太いですが・・。梁の方は、実際にはトラスになっていたようですね。

 気を取り直して、サンデッキの天幕支柱。


 今度は横方向の部材をデッキ上に設置してから、縦方向の部材で調整するという方針。上手くいくか?



 上部プロムナードデッキよりは上達しましたが、まだ不満が残ります。しっかり癖とりをしてから設置したのですが、設置した後にも癖が出ます。部材を作り、もっと十分な時間を置いてから設置した方がよかったのかもしれません。

 ちなみに縦方向の一番外側はまだ設置していません。実物の写真を見ると細いワイヤーのようなものでできていますので、キットが用意している紙の板の代わりに別の材料を使おうと思っています。

 最後に残ったコンパスデッキの天幕支柱は、一番目立つところですから、一番きれいに作りたい。さてどうしたものか。

2014年7月8日火曜日

NDL Potsdam (104) - ボートダビッドの製作と設置

 ボートダビッドを製作し本体に設置しました。

 ボートダビッドは、一枚の板を切り出すのではなく、二枚重ねた紙から前後二枚を切り出して、間にスペーサーを挟んで貼り合わせます。もともとの輪郭が狂っていたのと糊の乾き方が、テーブル上に置いたときの上と下で違ったのか歪みと狂いが出てしまいました。難しいものですね。

Davits für NDL Potsdam

 本体に設置しましたが、少しは癖とりの効果があったでしょうか。

Davits, gesetzte


 このキット、CADではなく、手書きで切り取り線が書かれているためにどうしても狂いが出ます。ボートダビッドでは、その狂いがかなり大きく実際に切り出した輪郭と、キットの輪郭がかなりずれています。塗装してそのラインを消したいところですが、水分を含むと部材に歪みが出ます。

 さて、どうしたものか。少し考えないといけません。

2014年7月5日土曜日

NDL Potsdam (103) - ボートウィンチの工作

 ボートダビッドを設置する前にボートウィンチ(Bootwinden)を作り設置しました。

 部材はこちらです。かなり細かいですね。工作が難しいコンポーネントには、簡易版のプランBが用意されていることもあるのですが、これにはありません。
Bauteile für Bootwinden

 一番面倒なのはローターでしょうか。一つにつき三つもあります。丸めて円筒形を作るのですが、つなぎ目部分には糊付けしませんでした。したがってつなぎ目は閉じていませんが、見えない位置に向ければ問題ないでしょう。

Rollen

 見えますか。ローター三つを設置しました。つなぎ目は閉じていませんが側面に糊付けしてあるので、後で開いてしまうということは、この大きさだとまずないでしょう。

Rollen im Bau

 その他の部材も組み立てて完成です。これを10個作ります。かなりきつい作業です。

Bootwinde, fertig