今回も手すりです。この船は1934年に竣工していますが、この時代の船は手すりの部分が多く、形も複雑ですね。時代が下るに従って、客船の手すり部分は単純化し数も少なくなって行くようです。但し、近年のベランダ付の船室を多く持つクルーズ船が現れるまで。あれを作るとなったらゾッとしますが、ポツダム号の手すりもすべて作るのは大変な作業です。
と嘆いても作業は進みませんので、根気で勝負。一つ一つ片付けます。
今回は、スポーツデッキ後方の手すりでR部分もありかなり大変です。58hというのがそれです。もちろんこの部材をそのまま貼ってしまえば、簡単なのですが、これでは「絵に描いた餅」ならぬ、「絵に描いた手すり」で面白くありませんので、いつものように糸を使って手すりを表現します。
上の58hの部材ですが、真ん中の部分が軽く湾曲しているのがわかりますか。これは甲板の湾曲に合わせたものです。糸は真っ直ぐに貼るのは比較的簡単なのですが、この曲線部は厄介かもしれません。
まず下の写真のように支柱部分をの両側をカットします。なるべく細くした方が支柱らしくなるのは言うまでもありませんが、限度を超えて細くしようとすると、細い部分が破れてしまったりしてうまくいきません。下の例では、赤でマークした部分が一箇所とれてしまいました。この部分は後で作り直すことにします。尤も支柱が一本くらいなくても、気づかないと思いますし、設計者も果たしてどこまで忠実に描いているかわかりませんので、気にする必要もないのかもしれませんが、一応モデル設計者のデザインを忠実に再現します。
下の写真が不要部分を切り抜いたところです。
そして下の写真のように糸を横棒として貼付けました。中央の曲線も何とかうまくできたようです。接着剤はボンドを使いましたが、乾燥しないうちに糸を載せなければいけませんので時間との勝負になります。また木工用ボンドは、乾燥するまで白くて不透明ですので、それを支柱に塗ると糸を貼る線が見えなくなってしまいますので、これも厄介です。しかし透明な化学糊よりもボンドの方が乾いたときの接着力が強いようですので、やはりこれを使用します。
糸を貼付けたボンドが乾いたら、台紙からの切り出しますが、切り出しにはハサミを使った方が良いようです。カッターでは横向きの力がかかりますので、支柱がそれによって折れてしまったり、とれてしまったりするときがあるからです。
切り出したら、先ほどとれてしまった支柱を別の部材で修復します。
上の写真の台紙部分に、丸を表した矢印があるのがわかりますか。それはその上の部分にRをつけろと言う指示です。今回は二箇所を90°曲げます。曲げるのにはボールペンの腹などを使いますが、今回はRが結構きついのでボールペンの真を型にしました。
下の写真は折り曲げたところです。なかなかきれいにできました。少し放置して、修正するなどして形を安定させます。
目的の場所に接着しました。角を挟む二辺にまず糊付けして、R部分にすき間ができないように接着します。その後糊が乾いたら最後の一辺にも糊付けして接着し、出来上がりです。
この部分にもトップにウッドが載りますが、前回の方法を応用することで、きれいにできるでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿