鋭意製作中

8月に入りましたまだ完成していません。
今月こそ完成へ!

2011年2月15日火曜日

NDL Potsdam (20) - 舷側の成形

作業は、いよいよ舷側、ドイツ語だとBordwandに入っています。これが付くと骨組みだけだった船に肉がつくことになります。

その作業ですが、まずは窓をくり抜きます。


前、中、後と分けると最も窓が多いのは中間の部分なのですが、二種類の窓があります。飛行機の窓のような縦長の楕円(正確に言うと楕円ではなく、サイドは直線、上下がRを描いた曲線)の窓と丸窓です。丸窓の方はポンチで開けますのでわけもないのですが、縦長窓の方は、どうもうまくいきません、ナイフで切るのですが、円形の部分はナイフの操作が難しい。どうもきれいに切れません。できることならこの形のポンチを自作したいところ。

ちなみにこの縦に長い窓は、AデッキとBデッキにありますが1等キャビンの窓。丸窓は2等(ツーリストクラス)キャビンのものです。3等の窓はどんなかというと、ここにはありません。3等は全部窓のないインサイドキャビンかというとそういうわけでもありません。3等はポツダム号にはないのです。全部のキャビンが1等と2等です。

手元のデータによるとポツダム号の旅客定員は1等が134名、2等が138名です。1等はバス付(シングルルームの場合は2室で1つのバスルームを共有)、2等にはバスルームは付いていませんがそれでも個室です。欧州航路用に建造された新田丸級には3等もあったようですが、定員はそれほど多くありません。欧州航路には3等の需要はあまりなかったのでしょうか。

私の予想ですが、3等を使うような実務向けの旅客は、船よりも鉄道を選んだのではないでしょうか。シベリア鉄道を使えば、極東とヨーロッパ間の旅は船旅の半分以下の日数になります。

2011年2月12日土曜日

NDL Potsdam (19) - ステップ7終了 船尾のA甲板完成

作業は、ステップ7が終了しました。この工程では船尾のA甲板を作りました。そしてこれによってまたもB甲板のハウス側壁が隠れてしまいます。


全体を見ると上の写真のような感じです。B甲板で窓をくり抜いたりと少し複雑な形になったと思ったら、また平らな甲板で覆い尽くされてしまいました。

横から見るとまだ辛うじてB甲板ハウスが見えます。



新たにできたA甲板ですが、最後尾までに続かずに児童遊戯室の端で途切れています。よく比較されるNYKの新田丸級だとこの甲板が、船尾の最後部まで続いています。新田丸級ととてもよく似ているこの船ですが、船尾は一つテラスが多い感じになりますね。



最後の写真は隠れてしまったBデッキを後方からアップして見たところです。児童遊戯室の壁は継ぎ目がぴったりとくっついていて気持ちいい。円柱はクレーンの台座です。ポツダム号には船首に2つ、船尾に4つ、合計6つのボードクレーンがありますが、同じクラスのシャルンホルスト、グナイゼナウにはこの台座に載るボードクレーンはありません。

次のステップではいよいよ側面を貼っていきます。

2011年2月8日火曜日

NDL Potsdam (18) - ステップ6終了 船尾のB甲板完成

デッキハウスとボラードを設置してステップ6が完了しました。これで船尾部分のB甲板の主要部分が出来上がりました。

全体の写真をご覧に入れる前に気になるところを解決しておきます。


この甲板の一番奥まったところですが、白いのりしろ接着部分が残ってしまいました。ウッドデッキが足りない。これはどうも私の製作ミスではなくてキットの設計ミスのようです。このままにしておいてもこの部分はほとんど隠れてしまいますので、あまり影響はないのですが、直せるものなら直したいところ。自分でウッドデッキを描いて埋めることにしました。修正した写真が下です。


先ほどとは反対側ですが、こちらも白い部分が残っていました。それを自作のウッドデッキペーパーで埋めました。細いボールペンで1 mm幅に線を引きSTABILOペンで塗っただけですが、なかなかうまくできました。塗りムラのあるところが本物っぽい。

さてステップ6終了後の全体像を示すのが下の写真です。


デッキハウスの壁と最後尾の児童遊戯室が出来ました。見る方向を変えてこの部分を観察してみましょう。

まずは左舷を上方から。


児童室よりも前方にあるのがカーゴハッチです。この上のA甲板にも同様のハッチが描かれています。

次は後方から。


透明シートを貼っていない窓もなかなかそれらしく出来上がりました。

そして右舷を見上げる形で。



この部分も船首のB甲板と同様、これからA甲板の陰になり、船の側面に隠されてしまう運命ですが、窓の切り抜きなど細かな作業があり、いい練習になりました。

そう出来が良いわけでもないのですが、しばしうっとりと眺めてしまいました。

写真を見ただけではわからない部分にアクセスできるのは模型製作の楽しみ。観察を楽しんで次のステップに移ることにします。

2011年2月7日月曜日

NDL Potsdam (17) - B甲板のハウスの壁

ステップ6の作業が進んでいます。

最後はB甲板のハウスの壁と児童室の壁、それにボラードの工作です。

まずは壁を作ります。


今回、これまでとは違った方法で窓を表現してみました。窓の部分をくり抜くのは変わりませんが、透明シートではなくグレーに塗った紙を後ろに当て、その上に水性のクリアラッカーを塗ります。こうすると表面に透明なコーティングができガラス窓のような感じになります。

上の箱は、部材リストでは、ドイツ語で
Kinderzimmer
となっていますから、児童室または児童遊戯室というものでしょうか。等級によって他の箇所にもそのような類いの施設があるのかもしれませんが、窓も小さく結構小さい部屋ですね。

下の窓のある部材は、ハウスの後方の壁になるものです。他の箇所でもそうですが、住宅のような窓ですね。この箇所、窓が大きいので透明シートを張りたかったのですが、背景に躯体を構成する厚紙の壁ができていてそれが見えてしまいますので、敢えて透明シートを貼らずに紙でガラスを表現してみました。やはりクリアラッカーが塗ってあります。

このクリアラッカーを塗って窓を表現する方法は、ドイツ人の紙モデル製作者のアイデアを使いました。本当は丸窓を切り抜かずにポンチで型押しして凹ませ、そこにこのクリアラッカーを塗ると丸窓が奇麗に表現できるというものなのですが、私の作っているモデルでは窓が水色の印刷なので、それは切り抜いてしまいました。しかし丸窓を表現するにはとても有効な方法です。モデルによっては印刷で陰を表現したものがありますので、それを残してクリアラッカーを塗るとよりリアルな感じになるでしょう。


そして最後はボラード。Stefan Batoryでも同じようなものがありましたが、前作は400分の1、今回は250分の1なので、前作に比べれば工作は非常に楽です。ただより大きくなったので、出来不出来がよくわかってしまいます。却って手を抜けなくなりました。




これらを本体に接着するとステップ6の工程は終了です。

2011年2月5日土曜日

NDL Potsdam (16) - 窓枠の切り出し(2) 改善策

前回、窓枠を巡って悩みましたが、二つの壁のうち比較的できの良かった方を残し、もう一つの方で改善策を試すことにしました。





改善策は、窓の桟を切り取ってしまい自作しようというもの。二つを並べて比較してみました。

上が窓の部分だけを切り抜いたもの。下が窓全体を切り抜き、桟だけを自作して貼付けてものです。肉眼で見ると、私の目にはどちらも五分五分のできに見えたのですが、こうして写真で拡大してみると、下の方が奇麗ですね。肉眼で見たときには、桟の輪郭が黒の線で印刷された上の写真のものも奇麗に見えたのですが、拡大してみると輪郭線の効果が薄れるようですね。輪郭線というのは実際にはないものですから、できれば消してしまいたいもの。となるとやはり改善策を使った方が良いということになるでしょうか。

しかしまだ桟が太く、さらに改善の余地がありそうです。これは工作に慣れるしかありませんが。

下の写真は、ハウスの船尾側の壁です。最初から窓を全部くりぬいてしまって、くりぬいた部分に描かれていた桟を削り出しました。こうすると桟を残して切り取る部分は四隅から工作できますので細いラインを残して切り取るのが容易になりますね。

2011年2月4日金曜日

NDL Potsdam (15) - 窓枠の切り出し(1)

船尾のB甲板を貼付けましたので、次はそれに垂直に立つハウスの壁を作ります。

部材を切り出して窓の部分を作りました。窓ガラスが入るところを切り抜いたのですが・・


丸窓と扉の窓、桟のない単純な窓は良いとして、桟のある左二つの加工が今一つ。

桟を一部切り落としてしまったところは後で作ることもできますが、どうもあまり奇麗に切り出されていない。幅が違ってしまったり、毛羽立ってしまったり。

写真で見る限り、またこの部分がいずれ舷側の奥に入ってしまうことを考えるとまあ許容範囲かなとも自分に言い聞かせるのですが、やはり納得がいかない。

Stefan Batoryのときも桟には苦労し、プロムナードデッキの窓は切り抜くのを諦めました。今回はスケールがアップして400分の1から250分の1になりましたので、何とかうまくできるかなと思ったのですが、やはり細いラインを残して切り抜くのは至難の業。何とか切り出しても切ったラインが満足のいく精度に達しません。

さてどうしたものか・・。

2011年2月2日水曜日

NDL Potsdam (14) - のりしろの役割

ポツダム号の製作は、ステップ6に入っています。この工程では、船尾部分のB甲板とその上のハウスの側壁を作ります。

まずは甲板を躯体に貼り付けるのですが、組立説明書には二通りの方法が示されています。

一つは、下の写真のように甲板を切り出して、中軸部分をキールに付けたL字形ののりしろに接着すると言うもの。
二つ目は、ハウスの側壁が載るのりしろ部分を残して白い部分は切り取ってしまうというもの。こちらの方が簡便な作り方のようですが、どちらを採用すべきでしょう。


出来映えが良くなるならある程度の手間は惜しまないというのが、当造船所の方針ですから当然、Iの方法?
そう考えて上の写真のように甲板部材を切り出したのですが、ふと考えました。

この方法は手間はかかりますが、果たして出来映えを左右するのでしょうか。私の考えでは、これは甲板の平坦性を確保するのにあまり効果がない、少なくとも手間の割には効果がないと考えました。

たしかに舷側部分と中軸部分の間に橋が架かりますので安定するかのように考えられます。しかしその距離が大きいので、安定性を保証するのは張力のみです。これではちょっと不安が残ります。

ではIIはどうでしょう。

こちらは論外。安定性はIよりも低くなってしまうのは当たり前です。なぜなら舷側と肋材でしか固定されていないからです。その上、こののりしろの上にハウス側壁ののりしろが載ったら、貼り付けるときの力で平坦なはずの甲板が歪んでしまうのは目に見えています。下からも力をかけて上からの力に対抗させればうまくいくかもしれませんが、指で力をかける限り、どうしても力のかかり具合にむらができて歪んでしまいます。これは前作のStafan Batoryで経験済み。

そこで第IIIの方法を考えました。それは下の写真のように甲板についているのりしろを比較的大きくとって下に90度折り曲げるというもの。


このようにすると何が良いかと言うと、L字形に折れたエッジ部分、折れ目の直線性が保たれるということ。それはつまり甲板の平坦さが保証されるということを意味しています。

そしてデッキトラス橋のように桁間が頑丈になります。それを示すのが下の写真です。


中央から左の部分のナットを二つ重ねたところがその証拠。ナット二つ分の重さでは、甲板は歪みません。さらにどれだけの重さを加えても大丈夫かと言う検証は破壊試験になってしまいますので、ここでは止めておきます。しかしかなり安定していますのでまだまだ行けそうです。

このようにのりしろって糊を付けて接着するためだけの存在ではありません。折り曲げればそのエッジの直線性と強度が保証されます。これをうまく使うときれいにできるかもしれません。